雨季の予感
カンボジアは雨の降らない乾季と、強い雨が毎日のように降る雨季に分けられます。
雨季はだいたい5月ごろからはじまり、11月ごろには終わります。
「雨季がそろそろ始まるな〜」と感じられるのは、
雨が頻繁に降り始めるようになるからですが、
雨季に入るころに大量発生する虫によっても、
雨季の到来を感じることが出来るのです。
5月、6月頃、電気をつけている家めがけて、
ものすごい数の虫が集まってきます。
その虫の名は「コンディア」、蟻塚を作る、シロアリの一種です。
別名「メープリエン」(雨の長という意味)です。
この虫は土の中に蟻として生活しますが、
雨季の始まる季節にいっせいに羽化します。
そして、夜テレビを見て楽しんでいる我が家に突入してくるのです。
もう、部屋中がこの虫だらけで、しゃべることすらままなりません。
口の中に虫が入ってくるからです。
この虫の対処法は、電気の下に水を用意しておくことです。
落下して水に入ると、もう飛べなくなります。
ある夜、大家さんが「明日の酒のつまみだ」と、
メープリアンが大量にいる私の部屋の電気を消し、
ろうそくを準備し、バケツを用意しました。
1時間もすると、バケツの中には、大量の死骸が。
次の日、水を捨て、邪魔な羽を丁寧に取り除き、
砂糖や唐辛子で香ばしく炒め、おいしく頂きました。
この虫は、羽化した後長くは生きられず、羽が取れて死んでしまいます(雨に濡れると羽が取れます)。
そんなはかない虫の一生は、私の胃の中で、私の命として生き続けていくことでしょう。
はじめは数匹だけですが、どんどん仲間を呼び、部屋を占領してしまいます。