田舎の家の大家さんが床屋の仕事をサボって、いつものように、ボン・ソムナニュ(「投網」の意。ホットニュース『投網シーズン』を参照)から帰ってくると、
「まさや、すごい情報を釣り仲間から聞いた。怪魚が現れたそうだ!」と言うのです。
どうやら、仕掛け網に、見たこともない魚がひっかかり、それが新聞にものって、ちょっとした近所の話題になっているとのこと。
ホットニュース魂がうずいたので、早速その魚を釣った人の家へと行くことになりました。
バイクで道を運転していると、人だかりが出来ている家が見えてきました。
見物人が押し寄せているようでした。
高床式の家の下に、小さいプールが作られており、その中に問題の怪魚がいました。 人の波を分けてプールを覗き込んでみると、何やら暗く長い影が見えました。
怪魚が怪魚たるゆえんは、その長さにあるようです。
すごく太いうなぎを、かなり長くした感じの魚でした。
息をするために怪魚が水面に上がってくると、ますますはっきりとその姿が見えました。
その魚を釣った人にインタビューを試みました。
「この魚がかかっていてビックリしたよ。長さは1メートル30センチでうろこは無い。トンレサップ湖(カンボジアの中央に位置する、とても大きな淡水の湖)には、大きな魚がたくさんいるけど、こんな魚はみたことないよ。アフリカにいる魚みたいだ。明日州の漁業局が、調査のためにこの魚を引き取りにくるから、今日見れてラッキーだったね。」
怪魚と聞いていて、目が8つぐらいあって、キバを持つような、変な魚をイメージしていたのですが、実際に見たその魚は、間延びしたながーい胴体で水の中でおとなしくしており、好奇の目にさらされている哀れな魚に見えました。
みんなにこの魚の名を聞いてみたのですが、返って来る答えは、「怪魚(奇妙な魚)」でした。
みんな見たことない魚で話題になっているのだから、名前が分からないのは当たり前ですね。
ながーーい胴体をした怪魚。
おしよせる見物人の波。
見物人が、心ばかりのお金を置いていきます。